「ゆいごん」と「いごん」の違いを確認します
「ゆいごん」
「遺言」は、一般的には「ゆいごん」と呼ばれます。自分の死後、残された方々に言い残すことを総じて称するもののようです
文書で残される場合が多いですが、録画や録音によって、あるいは亡くなる直前に口頭で残される場合もあります。自分の意思を残された方々に伝えたいという思いから発せられるものですね
「いごん」
「いごん」と言う場合もあります。耳慣れない言葉ですが、これは主に法律用語として使われる場合が多いです。「ゆいごん」が法的効果を持つと「いごん」となります
広辞苑では、「人が自分の死亡によって効力を発生させる目的で、一定の方式に従ってなす単独の意思表示」とあります。ここでは「効力を発生させる目的」で「一定の方式に従って」というところが重要となります
民法には遺言についての規定があり、第960条以降にはその旨と書き方のルールが記載されています。つまり、ルールに則った遺言書でなければ法的な効果がないということになります
自分の希望や考え方を残しておくだけでしたらどのような形式でも構いませんが、「効力を発生させる目的」のための遺言であれば、「一定の方式に従った」ものである必要があります
遺言の能力
遺言は意志の表示行為であるので、意思能力のない者の遺言は無効となりますが、制限行為能力者制度は適用されず、成年後見人や被保佐人であっても単独ですることができます。ただし成年後見人の場合は一定の形式が要求されます
未成年であっても満15歳以上であれば単独で遺言をすることができます
ルールに従った遺言書でなければ法的な効果がありません